タペストリーを描いた半波さん。地元の阿弥陀堂に飾られている=つるぎ町一宇久藪

 徳島県つるぎ町一宇で暮らしながらプロのイラストレーターを目指す半波(はんば)(本名・小野寺鈴)さん(16)が、地元・久藪地区の恒例行事「久藪あじさい祭り」に着想を得て、アジサイを題材にしたタペストリー(縦114センチ、横98センチ)を作った。新型コロナウイルスの影響で祭りは中止になったが、作品は祭り会場の阿弥陀堂に飾られている。

 地元ボランティア団体「久藪あじさいクラブ」の会長を務める祖母の美和子さん(84)が製作を依頼。地元の神社から「和」のイメージを膨らませ、キツネや歌舞伎の隈取りをモチーフに織り交ぜた。ポーズを取った手やアジサイは写真を参考にし、タブレット端末で作った下絵を基に、アクリル絵の具とサインペンを使って布に描いた。

 地域住民からは「上手にでけとんな」「集落が明るくなる」と評判。半波さんは「絵の具を使って大きい絵を描いたのは初めて。気に入っているし、喜んでもらえてうれしい」と言う。

 幼少時から独学で絵に親しみ、4年ほど前から本格的にオリジナルのイラストを描き始めた。「絵を生活の中心にしてきたので、その延長線で仕事をしたい」と高校には進学せず、イラストレーターとして独り立ちを志す。

 作品は、タブレット端末とアプリを使い、撮影した風景写真に人物などの絵を重ねる表現方法が特徴。会員制交流サイト(SNS)で発表しているほか、専門的な知識や技術を売買するサービス「ココナラ」を通じて有償の依頼を請け負っている。

 5月、古見地区の路地の写真とイラストを組み合わせた作品を載せたところ、県外のアマチュアミュージシャンから「自分の曲の動画に使いたい」と申し出があり、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。

 半波さんは「地方にいながらネットを通じて積極的に作品を発表するアーティストは増えていて、自分もやってみたいと思った。多くの人に自分の絵を知ってもらい、幅広い活動につなげたい」と話している。