大都会の光景を思わせる今から約半世紀前の国道55号万代町付近=1965(昭和40)年、赤井尚さん提供

 最初、この写真を見たとき、どこか県外の都市部で撮影したものかと思った。歩道は広く、交通量の割に幅にゆとりがある道路だったからだ。写真を提供してくれた赤井尚さん=小松島市=の手紙を見て、場所が徳島市万代町2付近と分かったが、今よりもはるかに市街地らしい雰囲気がある。

 1965(昭和40)年に赤井さんが入院していた病院の窓から夕方のラッシュ風景を撮影した。病院は現在の県警本部の場所にあった。道が広く見えるのは走っている車のほとんどがオート三輪や軽自動車のためだ。バスの横を三輪トラックがすり抜けようとしている部分を見ると、今とほぼ同じ幅と分かる。

 道路は国道55号で、そのルーツは戦前に造られた徳島市と小松島港を結ぶ産業道路。53年に2級国道194号となり、62年に1級国道55号になった。この写真が撮影された年には国道の等級制がなくなり、一般国道55号になっている。

 古くから要の道路として交通量は多かった。70年に渋滞緩和のために徳島市のかちどき橋から小松島市大林町までの間にバイパスが計画され、96年に4~6車線で完成した。その道路が現在は国道55号となり、写真の道路は県道120号(徳島小松島線)になっている。