日亜が開発した色温度1800ケルビンの照明用LED(同社提供)

 日亜化学工業(徳島県阿南市)は、街路灯などに使われている高圧ナトリウムランプと同じオレンジ色(色温度1800ケルビン)の照明用LEDを開発した。LEDで暖色の表現と発光効率を両立させるのが難しく、同社によると、1800ケルビンの照明用LEDは世界初という。水銀製品の製造や輸出入の規制が国際的に広がる中、水銀ランプの一種である高圧ナトリウムランプからの置き換え需要を見込む。9月から量産出荷を始める。

 開発したLEDはピーク波長が605~610ナノメートル(ナノは10億分の1)。街路灯として使用した場合の寿命は、一般的な高圧ナトリウムランプの約5年に対し、3倍の15年は交換せずに済むとされる。

 照明分野では、水銀の採掘から廃棄までを包括的に規制する「水俣条約」を受け、水銀ランプの多くが製造や輸出入を禁止されている。ただ、高圧ナトリウムランプは規制から除外されており、虫が集まるのを避けたい農道や港湾倉庫、昔ながらの景観を重視する町並み保存地区などではオレンジ色の照明が重宝されてきた。日亜はLEDで同じ発光色を実現したことで、置き換えを期待する。

 蛍光体メーカーである日亜独自の技術を生かし、物体の色の見え方も自然光下に近づけた。光が当たった物体の色の区別がつきにくいという高圧ナトリウムランプの難点を改善し、街路灯の下を通る人の服や車の色が区別しやすくなるという。

 既にLED照明を導入しているものの、オレンジ色の光が好まれそうな施設や町並みなどへも提案していく考え。「水銀のない持続可能な社会の実現に寄与するとともに、光の質を高めてより快適な生活を提案していきたい」としている。