レンタルビデオの貸し出し終了を知らせる案内=阿南市羽ノ浦町のゲオ羽ノ浦店

 コロナ下で徳島県内の多くの書店が売り上げを伸ばしている。休校や外出自粛、娯楽の制限などで自宅で過ごす時間が長くなり、本を読む人が増えたのが主な要因とみられる。一方、レンタルビデオ店は、動画配信サイトの普及で需要が減っている上、感染拡大に伴い、米国を中心に映画撮影が一時中断されて新作の入荷が少なくなり、貸し出しをやめる店も出ている。

 出版業界は活字離れの影響で売り上げが右肩下がりの状況が続き、県内で7店を営業する平惣(阿南市)も2019年まで下落傾向だった。ところが20年は前年比約2割増と持ち直し、今年も19年比で1割ほど伸びている。

 きっかけは新型コロナウイルスの流行が本格化した、昨年春の一斉休校。自宅で勉強するために参考書や問題集を購入する学生や保護者が増えた。外出自粛で子どもに読み聞かせをする母親が多くなり絵本や児童書も売り上げが伸びた。漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」のヒットも影響した。

 藍住町のブックスジュピターも20年の販売は前年比で約2割増え、今年も好調を維持している。町内の大型商業施設が営業時間短縮や専門店の一時休業をして、郊外型の書店に客が流れた面もあるという。井上哲也社長は「この機会に活字の良さや、本をじっくりと読む楽しさに気付いてほしい」と期待する。

 一方、レンタルビデオ店は苦戦している。平惣が運営する阿南市のゲオ羽ノ浦店は5月下旬にレンタルをやめ、ゲームの販売に特化した。

 レンタル部門は動画配信サイトの増加でここ数年、収益の前年比割れが続いていたが、20年は外出自粛の影響で6月ごろまで貸し出しが前年とほぼ同じだった。しかし、米ハリウッドが2月から夏ごろまで撮影を中止。日本でも撮影中止が相次いで新作の入荷が難しくなり、今年は例年以上に貸し出しが落ち込んだ。平野惣吉社長は「人気のある米国の大作が入らない影響は大きい」と言う。

 徳島市内の老舗店も、昨年春は「巣ごもり」需要で貸し出しの下げ止まり感があったものの、米映画の新作の入荷が止まると客数は減少。現在は中国映画や徳島での未公開作品を仕入れている。男性経営者は「年末にかけて入荷が復活するし、米国の配給会社も映画館で上映できなかった作品をレンタルに回す取り組みを始めている。客足の回復に期待したい」と話している。