前半、徳島の西野(右)が果敢にシュートを放つも決めきれず=神戸市のノエビアスタジアム神戸

 それぞれが心の中の短冊に書いたであろう「得点」と「勝利」のいずれもがかなわない七夕の夜となった。リーグ戦を通じて4試合連続ノーゴール。趣向を凝らして強豪・神戸に立ち向かった徳島にとっては前半の失点が重く、自信を取り戻すための1点が遠かった。

 神戸とはルヴァン杯を含めて1勝1分け1敗の五分。3度の対戦で手の内は知っている。中盤の底に座るサンペールとその前に陣取る山口、郷家の両インサイドハーフ、さらにトップ下・中坂(徳島市出身)が描くダイヤモンド型の布陣を警戒。鈴木徳、小西、バトッキオの3人をボランチに並べるような珍しい形で対抗し、誰か一人が前線に関わってサンペールの自由を奪いつつ、残る2人が中央でリスクマネジメントに精を出した。

 「中盤で数的優位をつくり、うまくはがしていくことをみんなで意識できた」と小西が言うように、最近目立っていた後方からのロングキックはほとんどなし。両サイドMFの西野、浜下がやや内側に陣取って相手の背後を突く動きを見せ、ボランチ陣と呼吸の合ったパス回しを披露。岸本、小西のサイドチェンジも効果的だった。

 初先発を果たし、得点への強い思いを表したのが徳島市出身のルーキー西野。左サイドで元日本代表のDF酒井と対面しながらも前半10分には相手GKの手をはじくシュートを放った。失点の場面を含め「(酒井選手は)駆け引きがうまかった」と素直な感想も口にしたが、チャレンジ精神を忘れず、チーム最多の3本のシュートを放った。

 後半はプレスのかけ方を修正し、左右から揺さぶって押し込む時間が増えた。26分に小西が放ったシュートはわずかにゴールの左。リーグ戦につながる目に見える結果は得られなかった。小西は「意図的なビルドアップやシュートに持ち込む形は多かった一方、決め切る力をつけていかないと」と口元を結ぶ。

 西野は「チャレンジして自分の通用する部分としない部分が分かった。ただ、打っても入らないと勝ちにつながらない」。フル出場した経験を糧にチームの力になる。期待のルーキーはその名「太陽」のように輝き、梅雨空が続くチームを照らせるようにと精進を誓った。