モモの木などを食べて枯らす外来病害虫のクビアカツヤカミキリ(県立農林水産総合技術支援センター提供)

 モモの木を食べて枯らす外来病害虫クビアカツヤカミキリの被害が、県北部の産地で続いている。2015年に県内で初めて板野町で確認されてから、17年に上板町、18年には鳴門市へと拡大。20年は成虫の駆除や農薬散布などの効果もあって全体数はやや減少したものの、上板町では被害が増えた。今年も板野町で例年より早く成虫が確認されており、県は対策を呼び掛けている。

 県立農林水産総合技術支援センター(石井町)は6月、上板町で自治体やJAなどの関係者を集めて対策会議を開き、生産者への注意を促した。クビアカツヤカミキリは6月下旬から8月上旬にかけて成虫が多く確認される。

 今シーズンは6月20日から7月5日までの半月ほどの間に、板野町のモモ園で成虫約90匹が見つかっており、例年に比べて1週間ほどペースが早い。

 センターによると、モモの木への被害は、15年に板野町と鳴門市で調査した園地30カ所のうち、板野町の17カ所130本で被害を確認。16年以降に調査範囲を広げたところ、17年には上板町の29カ所で127本の被害が判明し、18年には鳴門市の2カ所4本で見つかった。19年は3市町合わせて126カ所621本に上り、園地・本数とも最多となった。

 20年は123カ所469本で確認された。市町別にみると、板野町は54カ所257本とピークの18年(70カ所461本)から減少したものの、上板町は66カ所209本で、ピークだった19年(55カ所237本)から拡大した。鳴門市は3カ所3本で横ばい傾向が続いている。

 センターは17年、防除対策の研究資金として、クラウドファンディングで555万円を調達。徳島大や農業大学校の学生らによるボランティア隊を結成し、捕獲した成虫をセンターが買い取る形で駆除した結果、17、18の両年で被害の大きい板野町で計2674匹が捕獲された。

 捕まえた幼虫や成虫を使って市販の殺虫剤による防除効果も研究し、調査結果を生産者に提供している。傷んだモモは成虫の餌になるため、果実を放置しないことを求めているほか、老木の被害が大きいことから、果樹の早めの更新を求めている。

 センターは「早期に薬剤で駆除することで被害を抑えられる。成虫はもちろん、幼虫が寄生した木の根元にできる木くずのようなフラスを見つけたらすぐに対応し、センターに連絡してほしい」としている。

 クビアカツヤカミキリ カミキリムシ科で中国や朝鮮半島などが原産。成虫は3~4センチほどで色は黒く、胸部が赤い。国内では、2012年に愛知県で初めて発生が確認された。モモやサクラの木に産卵し、幼虫が木の内部を食い荒らすため最終的に木が枯死する。関東・近畿地方などで被害が拡大している。