東京五輪の首都圏会場での無観客開催が決まった8日、県内で事前キャンプを行っている選手は、声援による後押しが受けられないことに落胆した。ゆかりの選手が出場する自治体の関係者らは、徳島でできる応援やサポートに全力を尽くすことを誓った。

 徳島市ではこの日から競泳のネパール代表選手の練習が始まったばかり。無観客開催を知らされた男子のアレクサンダー・ガデガード・シャア選手(18)は「観客がいると自分の能力を最大限に発揮できるが、感染リスクを考えれば最少人数でやるのがベストだ」と理解を示す。女子のガウリカ・シン選手(18)は「観客の声援が聞こえないのはつらい。それでも、まずは勝つことに集中して頑張りたい」と前を向いた。

 鳴門市では、父親が市出身で体操女子団体総合代表の畠田瞳選手や、市内にある大塚製薬陸上部に所属する陸上男子走り幅跳び代表の津波(つは)響樹(ひびき)選手を応援しており、15日からはドイツのハンドボール代表の事前キャンプが行われる。市スポーツ課の担当者は「市ゆかりの選手が力を発揮できるよう、市民一丸となってエールを届けたい」と力を込めた。

 「選手の受け入れ準備を予定通り進めるだけ」と話すのは、26日からドイツのカヌー代表の事前キャンプが開かれる那賀町の䕃山雅彦町教委係長。「県と協力して感染対策を徹底しながら練習環境を整え、選手が実力を発揮して金メダルを取れるように万全のバックアップを行っていきたい」と気持ちを引き締めた。

 高い倍率のチケットが当選し、会場での観戦を心待ちにしていた人は県内でも多い。8月6日に有明アリーナで開かれるバレーボール女子準決勝を見る予定だった徳島市の男性会社員(57)は「楽しみにしていたので残念だが、感染拡大を抑えるためには仕方ない。日本代表の活躍に期待してテレビで応援します」と話した。