特別公開されたコーツィーのアクリル画=徳島市の県立近代美術館

 徳島県立近代美術館(徳島市八万町向寺山)で10日、同館が初めてクラウドファンディング(CF)を利用して購入したアール・ブリュット絵画の特別公開が始まった。9月12日まで。

 公開されたのは、ホロコーストを経験したユダヤ人作家ローズマリー・コーツィー(1939~2007年)が1983年に制作したアクリル画(縦244センチ、横184センチ)1点。3歳で送られたナチスの強制収容所での悲惨な体験を基に描いた大作で、収容所生活で苦しむ人たちの様子を抽象的に表現している。

 来館者は、黒や茶を基調としたキャンパス全体にペインティングナイフで施された激しいタッチに見入り、収容所の過酷さやトラウマ(心的外傷)に苦しんだ作者の思いを感じ取っていた。徳島市上八万町の林宏美さん(60)は「幼少期の思い出したくない記憶を基に絵を描き続けたことがすごい。色使いも独特」と話した。

 作品購入には、220万円を目標に募ったCFで206人から寄せられた寄付238万4500円を活用した。特別公開は無料。展示解説が18日、8月8日、9月5日にある。