<弱いチームが強い奴らをやっつける。勝負事において、こんな楽しいこと他にあるかよ>。週刊モーニング(講談社)の人気サッカー漫画「GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)」。物語の序盤で主人公が叫んだせりふが、連載開始から11年たついまも光を放つ
長期低迷するプロチームの立て直しを任された監督が主人公。型破りな手法からたびたび内外にあつれきが生じるが、選手とチームには着実に変化が表れる。大舞台で爆発力を発揮し、強い敵(ジャイアント)を倒していく(キリング)。留飲の下がるストーリーだ
さあ、いま痛快さを求めるならこちらのチームに。ワールドカップ・ロシア大会の日本代表23人が、開催地入りした。14日の開幕、19日の初戦を待つ
前評判は芳しくない。日本の世界ランクは60位。1次リーグで争うポーランド(10位)もコロンビア(16位)もセネガル(28位)も、格は数段上回る
ベテランが目立つ代表の顔ぶれに成長が見込めないという辛口の見方もある。厳しい情勢や指摘はそれとして、だからこそジャイアント・キリングの値打ちがあるというもの。まずは、1次リーグ3試合での<こんな楽しいこと他にあるかよ>に期待しよう
言った言わぬが横行し、国内にはもやもやが漂う。胸のすく試合を渇望してやまない。