女流義太夫の第一人者で人間国宝の竹本駒之助さん(82)=神奈川県秦野市=の公演が3日、徳島市の徳島城博物館であり、県内外から訪れた約120人が義太夫節に聞き入った。
主人公の深雪と宮城阿曽次郎が運命に翻弄され、すれ違う悲恋を描いた「生写朝顔話 宿屋より大井川の段」を上演した。竹本さんは三味線や琴の音色に合わせて情感たっぷりの語りを披露。深雪が阿曽次郎と会えずに泣き叫ぶクライマックスでは、目頭を押さえる観客もいた。
友人と2人で訪れた徳島市住吉6、島村広子さん(73)は「感動した。会場にいた全員が竹本さんの語りに引き込まれていたと思う」と話した。