小児がんなどの治療で髪をなくした子ども向けのかつらに使ってほしいと、徳島市の八万小5年藤原莞大君(10)=同市沖浜2=が、2年2カ月にわたって伸ばした髪を切った。「ヘア・ドネーション」(髪の寄付)と呼ばれる社会貢献活動で、病児用かつらを無償提供している大阪市の会社に活用してもらう。
藤原君は、テレビ番組でヘア・ドネーションを知り、病気の子どもを助けたいと思うようになった。2016年2月から散髪をやめ、かつらに必要な15センチ以上を目標にした。
髪が伸びるうちに、同級生からは「女の子みたい」とからかわれて嫌な思いをすることもあったが、「絶対に切らない」と心に決めていた。
今月、徳島市内の美容室で髪を切ったところ、18~28センチの長さがあり、大阪市の会社に郵送した。同社によると、病児用かつらの需要は高く、順番待ちの状態が続いているという。
藤原君は「多くの人に『こんなボランティアもある』と伝えたい」と話している。