鳴門教育大卒の作家・作詞家の高橋久美子さん=愛媛県出身、東京都=が、翻訳絵本「ディアボーイ おとこのこたちへ」(主婦の友社、1430円)を出版した。本書は、母親が娘に伝えたいメッセージをつづった「ディアガール おんなのこたちへ」(同)に続くシリーズ第2弾となる。

自身が翻訳を手掛けた絵本「ディアボーイ おとこのこたちへ」をPRする高橋久美子さん

 絵本はA4変形判、40ページ。かわいらしい子どもたちの挿絵と共に「わかりあえる なかまを みつけよう いろんな ひとが いることも しろう」「いちばんに なれなくても さいごまで がんばる ひとに なろう」など、ページをめくるたびに男の子に向けたメッセージが書かれている。

 「ディアガール」は絵本作家エイミー・クラウス・ローゼンタールが卵巣がん闘病中に娘パリスと執筆した作品だが、今回はパリスが故エイミーの夫で父のジェイソンと執筆した。

 前回に引き続き翻訳を手掛けた高橋さんは「男の子向けではあるけれど、テーマ自体は前作と共通。生きていたら忘れがちになるが、シンプルで大切な事を書いてある」と魅力を語る。「子どもだけでなく、思春期や大人になってからでも、家族や友達には話せないときや道に迷ったときに、本の中に自分の居場所を見つけてもらえたら。人生の指南書のような本」と言う。

 高橋さんは故エイミーが生前に執筆した「おかあさんはね」(マイクロマガジン社、1620円)も翻訳しており、ローゼンタール家による絵本の翻訳は3冊目となった。

 高橋さんは「最初の作品から順番に訳していっているから、ローゼンタール家の一員になった気持ちです。実際にお会いしたことはないですけど、3冊の絵本を通じてこの家族に会っているような気がしています」と思い入れを語る。

 その上で「この本に書いてあることは、これさえ忘れずに生きていけば絶対に幸せになれるよ、ということだと思う。子どもたちには成長する中でのお守り代わりにしてもらえたら。大人でも何か疲れたなというときに開いてみると、初心に戻れると思います」と話している。

【高橋久美子さんプロフィル】
たかはし・くみこ
 1982年生まれ、愛媛県出身。鳴門教育大卒業後、ロックバンド「チャットモンチー」のドラマー兼作詞家として活動。2011年の脱退後、作詞家として原田知世、布袋寅泰らアーティストへの歌詞提供のほか、詩、小説、エッセー、絵本の執筆など多彩な創作活動を展開している。近著に旅エッセー集「旅を栖(すみか)とす」(21年)、小説集「ぐるり」(同)がある。