この間の大相撲名古屋場所、徳島に縁のある横綱白鵬関が優勝しましたな。6場所連続で休場し、右膝を手術したばかり。進退を懸けた場所を全勝で制するとは、劇的やありまへんか。ほんまに底力がありますわ。

 ほなけんどじゃ、白鵬関の千秋楽の振る舞い、あれは感心しまへん。立ち合いで照ノ富士の顔面に肘打ちをかましたと思うたら、右に左に張り手の嵐。勝ちを決めたら派手なガッツポーズに雄たけびと来ましたやろ。

 「勝利への執念といえば執念ですが…」って、テレビで解説しとった北の富士はんや舞の海はんがあきれたのは無理ないこってす。土俵の上では堂々と胸を貸し、勝っても負けても感情をみだりに表さない。ほれが横綱の品格いうもんでっせ。

 昔と違うて個性をより重んじる今の時代、闘志や気迫を出してもええっていう声もあります。ほれでも、ツツイチ守らなアカン古き良き伝統なんとちゃいますやろか。

 白鵬関は11年前、大塚国際美術館で披露宴をしましたな。斬新さに「あっぱれ」と思うたのを覚えとります。古来の横綱像を覆すっていうのは、そういうとこで発揮してもらいたいもんです。(天野寂)

*ツツイチ=精いっぱい、非常に