味付けや製法にこだわった持ち帰りの鶏の唐揚げ店の出店が、徳島県内で過熱している。全国的な唐揚げブームに加え、新型コロナウイルス感染拡大によるテークアウト利用の増加で需要は高まっており、専門店以外にも大手外食チェーンが参入。唐揚げ消費が少ないとされる徳島県で、顧客獲得競争が激しさを増している。

 

 外食チェーンのふじや(徳島市)が運営する「かたに商店」は昨年、徳島市や阿南市などに4店舗を相次ぎ出店して計6店舗とし、今年4月には北島町に7店舗目をオープンさせた。大ぶりでジューシーな食感の唐揚げに定評があり、「からあげグランプリ」(日本唐揚協会主催)で金賞を過去に受賞している。

 ふじやの担当者は「新型コロナによる巣ごもりで、家で食事を取る人が増えている。唐揚げは価格が手ごろで、幅広い年代に愛されていることから利用する人が増えているのでは」と分析。「ひとくくりに唐揚げといっても、味付けや食感はさまざま。需要はさらに高まっていくと考えています」と語った。

 

 競合他社の進出も相次ぐ。唐揚げの持ち帰り専門店「から家」(徳島市)は、4月に北島町に開店した店を含めて県内3店舗を構えるほか、唐揚げメインの定食などを提供する「から家食堂」(同市問屋町)を運営する。数種類の調味料とニンニクなどを合わせた特製ダレで味付けしたボリューム満点のからあげが好評だ。

 

 大阪市の企業NISが運営し、全国に約200店舗を展開する唐揚げ専門店「鶏笑」は11年ほど前から県内出店を進め、現在は徳島市や小松島市、吉野川市などに7店を開く。唐揚げの聖地とされる大分県中津市の味にこだわり、チキン南蛮や手羽先、砂肝唐揚げなど豊富なメニューで勝負する。

 外食チェーン大手すかいらーくレストランツ(東京)が全国展開するファミリーレストラン「ガスト」も昨年10月から県内店舗で唐揚げ専門店「から好し」(同社運営)のメニューを提供し始め、現在は全8店舗に拡大している。

 県内で唐揚げ需要は高まりつつあるが、その消費量は全国的にまだ途上といえる。ニチレイフーズ(東京)が昨年8月に行ったインターネットアンケートによると、1カ月に食べる唐揚げの個数は徳島県が23・5個と全国最下位。1位だった大分県56・5個の半分以下だった。

 徳島の唐揚げ消費量が少ないことについて、から家食堂の岩崎浩二店長(42)は「これまで身近に食べられる所が少なかったからではないか」と推測。「持ち帰り店の増加に伴って唐揚げの消費量は今後増えていく可能性がある」と期待した。