太平洋クロマグロの漁獲規制が和らぐ可能性が高まった。資源管理を話し合う国際会議で、日本近海を含む中西部太平洋では30キロ以上の大型魚の漁獲枠を一律15%拡大することで合意した。

 日本の大型魚の漁獲枠は年4882トンだ。年内に開かれる上部会合で正式決定すれば来年から732トンの増枠となる。30キロ未満の小型魚は4007トンで据え置いた。増枠は厳しい制約下の漁業者らには朗報だが、資源の本格回復には時間がかかり、手放しで喜べる状況ではないだろう。

 日本は2018年以降、資源が回復傾向にあるとして大型、小型とも増枠を求めてきたが、退けられてきた。今回は米国などの見解が一転し、初めて主張の一部が受け入れられた。メキシコ、米国の漁場である東部太平洋での増枠でも一致した。

 親魚の資源量は1961年の15万6千トンをピークに、乱獲で2010年には1万1千トンまで激減。その後、国際的な漁獲規制が導入され、24年までに4万トンへの暫定回復を目指している。18年は2万8千トンだが低水準に変わりはない。回復は一過性ではないのか、推移の見極めが重要だ。

 漁業者のみならず、遊漁者への規制も課題である。今年6月から小型魚の採捕を禁止し、大型魚を釣った場合は水産庁への報告を求めているがルールが守られていないとの指摘がある。「混獲」回避などへの支援を含め、徹底した資源管理を継続すべきだ。