男子団体3位決定戦 韓国戦の第1試合でガッツポーズする水谷隼(右)、丹羽孝希組=東京体育館

 東京五輪卓球混合ダブルスで伊藤美誠選手と共に金メダルを獲得した水谷隼選手が使用する特徴的なサングラスのレンズは、阿波市の山本光学(大阪府)徳島工場で製造されている。水谷選手は6日の卓球男子団体3位決定戦にも出場しており、工場はチームの銅メダル獲得に沸いた。

阿波市土成町にある山本光学の徳島工場(同社提供)

 徳島工場は1万9235平方メートルの敷地に三つの工場と物流センター(計1万1724平方メートル)があり、「SWANS」のブランドで知られるスポーツ用サングラスのレンズなどを生産している。試合は就業時間に行われたため、約110人の従業員は銅メダル獲得の瞬間は見られなかったが、終業後には同僚らで喜び合ったという。

 水谷選手のサングラスは徳島工場でレンズを製造し、淡路島の工場で組み立てられた。レンズ下部にフレームが付いた陸上競技用のモデルに、室内でも球が見やすいよう色を調整した特注のレンズがはめ込まれているという。

水谷選手がかけているものと同じモデルのサングラス。水谷選手のレンズは特注のため、写真とは異なる。(山本光学提供)

 2年ほど前に水谷選手の関係者から相談を受け、練習場所を視察したり水谷選手から意見を聞いたりして約1年前に完成させた。視線の移動が大きい卓球競技でもフレームが視界に入らず、ずれにくいことも特徴だという。

 7月26日に行われた混合ダブルスで水谷選手が金メダルを獲得した直後は、ツイッターに「眼鏡が気になる」「かっこいい」などサングラスに関する投稿が相次いだ。山本光学の公式サイトへのアクセスも集中して一時はつながりにくい状況になったという。

工場で製造しているサングラスを持つ記本浩徳生産技術部次長=阿波市の山本光学徳島工場(同社提供)

 徳島工場ではほかに、アーチェリーで二つの銅メダルを獲得した古川高晴選手や、パラ五輪でボッチャに出場する中村拓海選手らのサングラスレンズも製造している。徳島工場で技術管理を担当する記本浩徳生産技術部次長(49)は「日本のメダル獲得に自分たちの製品が役立ち、工場の従業員のモチベーションが上がっている。パラリンピックでも選手の活躍に期待したい」と話した。