徳島県のご当地グルメ・徳島ラーメンを自動販売機で提供するラーメン店などが、県内で増えつつある。背景にあるのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で活性化する「巣ごもり消費」。時短営業や外出自粛といった経済的・社会的制約が続く中、それぞれの事業者が落ち込んだ需要を補おうと取り組みを進める。ラーメン愛好家にも本格的な味を自宅で楽しめるとあって好評だ。

藍住町徳命の王王軒 藍住本店

 藍住町徳命の「徳島支那そば王王軒 藍住本店」は7月から、徳島ラーメン(700円)を店舗前の自動販売機で販売している。

 新型コロナの影響で昨年度は客足が激減。1998年の創業以来初の赤字となり、少しでも売り上げを伸ばそうと導入した。「1人ではラーメン店に入りにくい」と考えている人や、出張などで県外から訪れた人の手土産などをターゲットに、新たな需要の掘り起こしを図る。

徳島ラーメン(700円)

 商品はカプセルに入っており、自家製の中細ストレート麺、豚骨と鶏がらをじっくりと煮込んだ濃厚スープが特徴。スープは急速冷凍して味と香りを閉じ込めているため、調理すると豚骨の香りが周囲に漂い、店内で食べているかのような気分を自宅で味わえるという。

 新鮮な状態で食べてもらおうと2日間を目安に商品を入れ替える。賞味期限は冷蔵で7日間、冷凍で60日間。近藤純店長(49)は「王王軒の味を身近に感じてもらえるよう、店舗がない地域への設置も検討していく」と語った。

阿南市津乃峰町の茉莉花

 阿南市津乃峰町戎山の「ラーメンカフェ茉莉花(マツリカ)」も今月から、看板商品の博多らーめん(700円)と博多一口生餃子(ギョーザ25個入り800円)を販売している。

 新型コロナの影響でラーメンのテークアウト販売に対する需要が増加。新たな販売法を模索していたところ、自動販売機でラーメンを提供する店舗が全国的に増えていることを知り、店舗前に設けた。日持ちする冷凍状態で麺を提供しようと、ゆで加減の研究に半年ほどの期間をかけた。

博多らーめん(700円)と博多一口生餃子(25個入り800円)

 博多らーめんは、濃厚かつ後味スッキリの豚骨スープと博多から仕入れた極細麺がパック容器に入っている。キクラゲやネギ、紅しょうがを追加でトッピングすると本格的な味が楽しめる。一口生餃子はニンニクが効いており、口に入れると肉汁があふれ出る。焼いて食べてもいいが、鍋に入れるとギョーザのだしが染み出て他の具材がよりおいしくなるという。

 賞味期限は製造日から約1カ月。自動販売機への補充作業を朝夕に行っている。今後は人気の油そばや豚骨黒カレー、自販機限定ラーメンを販売する予定だ。

徳島市北沖洲のマルメン製麺所

 麺の製造・販売を行う「マルメン製麺所」(徳島市北沖洲3)は7月、本社の駐車場に自動販売機のスペースを設けた。昨年5月から毎週火曜と第3土曜に、新作を含む15種類ほどの自家製麺の直売会を本社前で行っていたが、「販売日を増やしてほしい」との要望があり、24時間・非接触で対応できる自動販売機を導入した。

ほりにしつけ麺(200円)と豚骨ラーメン(2食入り300円)を持つ代表取締役の山岡勝昭さん

 麺とスープがセットで1食120~250円と、手軽に購入できる価格が魅力。自販機限定メニューの「みまから限定ラーメン」をはじめ、定番の徳島ラーメンや季節限定メニューなど、週に1、2回ラインアップを変更する。賞味期限は冷蔵保存で3日ほど。山岡勝昭代表は「今後はラーメンだけでなく、パスタやソバなども販売していきたい。ニーズがあれば自動販売機を2台に増やす」と話した。

 これら自動販売機以外にも、徳島ラーメンの東大(徳島市)が同市城東町1の住吉店横にラーメン・餃子の無人直売所を、外食チェーンのふじや(徳島市)が北島、石井両町に無人冷凍ギョーザ販売店「餃子香月」をオープンさせている。

店舗データ
【徳島支那そば王王軒 藍住本店】
・藍住町徳命牛ノ瀬446ー15
【ラーメンカフェ茉莉花】
・住所=阿南市津乃峰町戎山119ー6吉田ビル103
【マルメン製麺所】
・住所=徳島市北沖洲3丁目9ー6