第99回全国高校野球選手権の開幕まであと3日。徳島県代表の鳴門渦潮は前身を含めて9年ぶり7度目、現校名になってからは初の甲子園で初戦突破に挑む。チームの戦力を分析した。
徳島大会4試合のチーム打率は3割3分1厘で得点は33。安打41本のうち長打は15本を数えた。好球必打で甘い球を逃さず、中堅から逆方向にはじき返す打撃が特徴だ。
8番河野はチーム最多の8安打を放ち打率6割1分5厘。1番豊久も4割3分8厘、6打点と勝負強く、上位下位の切れ目がない。3番野口と4番笹田はいずれも長打4本とスラッガーとしての本領を発揮。5番松﨑が復調すれば厚みが出る。
1試合平均の三振は2・25個と少なく、四死球は4個と選球眼もいい。二塁走者が単打で生還する間に打者走者が二塁に進むといった抜け目のない走塁も随所に見せ、1試合平均8・25点の高い得点力につながった。
チーム防御率は0・84で、178センチの左上手投げ河野が全試合に先発し、防御率0・94。落差の大きいスライダーと速球のコンビネーションで28回2/3の投球回数を上回る34三振を奪い、14四死球と高い制球力を示した。準決勝では無死満塁のピンチを無失点に切り抜けるなど、走者を背負ってからの冷静なプレートさばきが際立つ。
球種の豊富な左腕有持、右横手の山田、右スリークオーターの鈴江、本格派の右腕野口の救援陣が短いイニングを投げた。スタミナを消耗する甲子園では継投時期も勝敗の鍵となる。
野手は4試合で3失策と及第点の内容。甲子園でも堅守でもり立て、投球にいいリズムをつくれるか。
県春季大会以降の練習試合の戦績は22勝4分け2敗。神戸国際大付や三本松、智弁和歌山といった甲子園代表校からも白星を挙げた。森監督は「投手が最少失点に抑えて打ち勝ちたい」と自信を見せる。