徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(96)が、若者への情報発信に力を入れている。会員制交流サイト(SNS)の写真共有アプリ「インスタグラム」を開設して活動を紹介しているほか、7月2日には活動拠点の寂庵(京都市)で若者とのトークイベントを開く。瀬戸内さんは「未来は若い人たちのもの。勝負するなら若い人とじゃないと」と話している。
インスタグラムは、秘書の瀬尾まなほさん(30)の提案で4月16日に開設。瀬尾さんが撮影した写真や動画に瀬戸内さんのコメントを添えている。5月15日の誕生日にローソクを立てたケーキの前で喜んでいる様子やリハビリに励んでいる姿など、これまでに17件を投稿するとフォロワーは6万800人(6月7日時点)に上った。
瀬戸内さんは「あっという間に大勢の人が見てくれるようになった。数にびっくりする」と効果を実感。今後は戦争や憲法など硬派なテーマについても発信していくという。
瀬尾さんが瀬戸内さんとの日々をつづった「おちゃめに100歳!寂聴さん」(光文社)が若い世代にも反響を呼んだことがきっかけになった。瀬尾さんは「最近、瀬戸内に興味を持つ若い人が増えてきており、SNSを使って瀬戸内の気持ちや思想を伝えられればと思った」と話す。
7月2日のトークイベントには、「インフルエンサー」と呼ばれる社会への影響力が大きい10~20代の8人が参加。お笑いタレントの田村淳さんを進行役に、「親友に必要な絶対条件は何」「お金、友達、恋愛の中で一番重要なのは」といったテーマで語り合う。瀬戸内さんは「若い人の話を聞くのは面白い。こんなことを考えているのかって驚く」と楽しみにしている。
イベントの収録内容は、主催する電子商取引事業の「ミーアンドスターズ」(東京)のスマートフォンアプリで、7月下旬~8月上旬以降に配信される。