徳島県立海部病院と牟岐、美波、海陽の3町は、スマートフォンを使って住民の健康状態を把握するシステムの実証実験を始めた。30人の参加者が今月末まで毎日、体重や血圧の計測値を医師らに送信し、食生活などに関するアドバイスをメールで受ける。生活習慣病の予防につなげるのが目的で、県内では初の試み。
実証実験には、生活習慣病の患者や発症の危険性がある30~60代の男女が3町から10人ずつ参加。体脂肪率や血圧などの計測値を、海部病院の医師と牟岐、美波、海陽の3町の保健師にスマホで送信する。
医師らはタブレット端末で患者のデータを受信して健康状態を診断。その上で「順調に体重が減っている」「血圧が高いので食生活に気を付けて」といった助言をメールで返信する。
実験には、NTTドコモのシステムを使用した。同社は、さまざまな測定機能を備えた時計を参加者に貸し出しており、医師らは歩数や運動時間、心拍数なども把握できる。
海部病院が30日に全ての参加者を健康診断し、実験前後の変化を確認。その上で、システムの導入について検討する。
実験に参加した松田清さん(61)=海陽町高園、無職=は「健康状態を常に診てもらえるので安心できる。アドバイスを参考に、生活や食事に注意したい」と話した。