【上】アメゴを釣り上げて笑顔を見せる子ども=三好市西祖谷山村の祖谷川【下】熱戦を繰り広げる子どもたち=徳島城博物館

【上】アメゴを釣り上げて笑顔を見せる子ども=三好市西祖谷山村の祖谷川【下】熱戦を繰り広げる子どもたち=徳島城博物館

 ゴールデンウイーク(GW)終盤の4日、県内各地では自然や伝統文化などに親しむ多彩なイベントが開かれ、山や川に家族連れらの歓声が響いた。
 
 ●三好市
 
 西祖谷山村の祖谷川上流でアメゴ釣り大会があり、家族連れら150人が「渓流の女王」を狙いさおを振った。
 
 祖谷大橋近くの会場で、アメゴとマス約1万匹を事前に放流。参加者は狙ったポイントに釣り糸を垂れて当たりを探りながら、20センチ前後の獲物を次々と釣り上げていった。
 
 川岸ではつかみ捕り大会もあり、水しぶきを上げて魚影を追い掛ける子どもたちの歓声が、山あいに響いた。
 
 東みよし町から家族ら4人で訪れ、アメゴ2匹とマス1匹を釣り上げた西田望来(みらい)君(11)=加茂小5年=は「引きが強くて楽しかった。塩焼きにして早く食べたい」と笑顔で話した。
  
 ●上勝町
 
 月ケ谷温泉で「彩(いろどり)恋こい鯉(こい)まつり」が始まり、大勢の家族連れらでにぎわった。5日まで。
 
 約300匹のこいのぼりが勝浦川の上を泳ぎ、新緑の渓谷を彩る中、温泉キャンプ場ではアメゴのつかみ捕りを実施。子どもたちは、池を泳ぎ回る体長15センチ前後のアメゴを必死に追い掛け、びしょ濡れになりながら次々と捕まえた。
 
 吉野川市鴨島町山路の吉川怜臣(れお)ちゃん(5)は「動きが早くて捕まえるのが難しかったけど、楽しかった」と話した。
 
 ドクダミ、ヨモギなどの薬草を使ったドリンクや、シイタケ、タマネギといった地元産農産物の販売もあった。こいのぼりは6日まで飾られる。
 
 ●阿南市
 
 椿泊漁協による恒例の「漁(ぎょ)ぎょ魚(ぎょ)まつり」があり、色とりどりの大漁旗がなびく同漁協荷さばき所に多くの家族連れらが詰め掛けた。
 
 ハマチのつかみ捕りコーナーでは、子どもたちが両親の声援を受け、服を濡らしながら獲物を追い掛けた。捕まえた魚はそれぞれ家に持ち帰った。
 
 海の生き物と触れ合えるコーナーもあり、子どもらはサメやタカアシガニ、エイに恐る恐る触った。来場者には天然のワカメとハモのすまし汁が振る舞われたほか、海産物が市価より安く販売された。
 
 つかみ捕りに参加した兵庫県宝塚市の蔵本結衣さん(8)は「魚にたくさん水をかけられたけど、楽しかった」と笑顔だった。
 
 ●東みよし町
 
 水の丸地区(標高約900メートル)でウオーキングイベントが開かれ、家族連れら150人が新緑の高原を散策した。
 
 8キロと30キロの2コースで実施。参加者は陽光に輝く緑や山あいの景色を楽しみながら、それぞれ2、8時間程度かけて歩いた。地区特産の夏秋イチゴで作ったジュースなどが振る舞われ、山の恵みも堪能した。8キロを歩いた徳島市北田宮1の下浦忠雄さん(62)は「心地よい汗をかきすっきりした。来年は30キロに挑戦したい」と話した。
 
 イベントは地元の住民団体「西庄良所(よいしょの)会」が、地域活性化を目的に2012年から開いている。
 
 ●徳島市
 
 百人一首競技かるた県王座決定戦が徳島城博物館で行われ、小学校2年生から高校1年生までの25人が、小中学生の初心者と大会経験者、高校生の3部門に分かれて熱戦を繰り広げた。
 
 参加者は1対1の対戦方式で3試合戦った。会場では、読み手が上の句を読み始めると、すかさず掛け声や札をたたく音が響いた。
 
 初心者の部で優勝した鳴門教育大付属小2年の東秀(しゅう)晟(せい)君(7)は「うれしい。強い人がたくさんいたので、もっと腕を磨きたい」と話していた。
 
 子どもたちに古典の遊びに親しんでもらおうと、同館が毎年ゴールデンウイークに開いている。