1944年6月、鹿児島県・徳之島沖で米潜水艦の攻撃を受け沈没した輸送船「富山丸」をテーマに、鳴門第一中学校の生徒会が制作した映像作品「帰郷」(33分)が10日、鳴門市文化会館で上映される。一般公開は初めて。
脚本は、祖父が富山丸に乗船し犠牲となった同校の反(たん)田(だ)卓教諭(52)が書いた。物語は富山丸の沈没で夫を亡くした女性とその子どもを中心に展開。沈没を機に広島市から徳島市の実家に移り住み、徳島大空襲に遭いながらも、原爆被害から免れることができたというストーリーで、反田教諭の祖母と母の実体験を基に描いている。
生徒会役員ら25人が出演し、反田教諭が撮影した。反田教諭はコンピューターグラフィックスで当時の建物や兵器などを映像に取り入れ、臨場感を演出した。2014年夏に完成し、同校文化祭で披露された。
富山丸の副官役で出演した3年の柳田有作君(14)は「制作を通じ、戦争の恐ろしさを実感できた。戦争を二度と繰り返してはいけないことを伝えたい」と話す。
10日午前10時から市文化会館である市戦没者追悼式で上映される。入場無料。
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