野鳥の木彫作品を制作した前田さん=佐那河内村上の県立佐那河内いきものふれあいの里ネイチャーセンター

野鳥の木彫作品を制作した前田さん=佐那河内村上の県立佐那河内いきものふれあいの里ネイチャーセンター

 野鳥愛好家の前田誠之助さん(78)=徳島市上八万町西山=が、佐那河内村上の県立佐那河内いきものふれあいの里ネイチャーセンターで、野鳥をテーマにした木彫作品の個展を開いている。メジロやアカショウビン、チドリなど、20年以上にわたって制作した153点が並ぶ。見学無料で、31日まで。
 
 木彫は、同村や神山町、徳島市での野鳥観察の際に撮った写真を基にカツラやスギを一刀彫にし、絵の具で着色した。会場では、木の実をくわえたり、首をかしげたりした愛らしいスズメやウグイス、今にも飛び立ちそうな躍動感のあるヒバリなどが、来場者の目を引いている。
 
 前田さんは元高校の体育教師で、狩猟の際におとりとして使う鳥の置物「デコイ」に魅せられ、55歳から木彫を始めた。59歳の時に居宅を石井町から山際の現住所に移し、野鳥観察とともに木彫の制作に没頭してきた。個展では野鳥の写真42点も紹介している。
 
 前田さんは「野鳥の姿から、県内の豊かな自然や生命のたくましさ、親子愛などを感じてほしい」と話している。