強い台風6号は、12日夜に徳島県に最接近する見通しとなっている。5月に台風が四国に接近するのは2011年の台風2号以来。このときは四国沖で温帯低気圧に変わったが、県内をはじめ全国各地で200ミリ超の大雨が降り、山腹崩壊や床下浸水などの被害が出た。早い時期の台風は災害への危機意識や準備が不十分なこともあって、徳島地方気象台が注意を呼び掛けている。 

 台風6号は11日午後6時現在、西表島の南南西約280キロを時速約20キロで北北東へ進んだ。中心気圧955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートル。

 12日は日本海の低気圧に暖かく湿った空気が流れ込む影響で大気の状態が非常に不安定となり、昼前から夜にかけて局地的に非常に激しい雨が降る恐れがある。同日の時間雨量は多い所で北部40ミリ、南部50ミリ、午後6時までの24時間雨量は多い所で北部100ミリ、南部200ミリと予想している。

 台風6号は11年の台風2号とよく似たコースを進んでいる。2号は5月29日に四国沖で温帯低気圧に変わったが、県内は激しい風雨に見舞われた。

 三好市池田町では同日の降水量が観測史上最多の256・0ミリを記録。人的被害はなかったが、市内2カ所で住宅の裏山が崩れた。つるぎ町半田217・0ミリ、徳島市196・0ミリなどと各地で大雨となり、交通機関の乱れや自主避難、停電が相次いだ。

 この時期の台風は夏場と比べて海水温度が低いため、勢力を維持できず温帯低気圧に変わる可能性があるが、沖村英幸防災気象官は「台風でも温帯低気圧でも雨の降り方に関係はない。最新の気象情報を確認し、行動してほしい」と注意を促している。