徳島県は、職員が小学校などに出向き、子どもたちに建設の仕事の魅力を伝える出前講座を始める。後継者不足が深刻な建設業の担い手を育てるのが目的で、より親しみを持ってもらおうと講座で使う漫画の冊子も作成。県建設管理課は「将来の建設従事者を一人でも増やしたい」と意気込んでいる。
講座では、県土整備部の職員が講師となり、建設業の仕事内容や県内の建設物を紹介。模型を使った橋の組み立てやクイズなどを通して関心を深めてもらう。南海トラフ巨大地震に備えた防災学習の要素も取り入れ、模型実験で液状化現象の仕組みを伝える。
漫画冊子は「建設のしごと!」(A4判、10ページ)で5千部作成。主人公の男の子が、橋の設計に携わっている父親から建設業の仕事や役割を教わる内容で、阿波しらさぎ大橋や徳島インターチェンジ(以上徳島市)、長安口ダム(那賀町)、など県内の建設物が紹介されている。
県内の建設業界は、従業員の高齢化が進んでいる。県建設業協会が2013年に行った雇用実態調査によると、技術系職員は50代以上が50・7%に上る一方、20代以下は6・3%にとどまるなど後継者不足が深刻になっている。県は、講座を通して子どものころから建設業に関心を持ってもらい、将来の就職につなげたい考えだ。
出前講座は無料。対象は県内の小学4~6年生だが、希望があれば中学校でも開く。講義時間などは希望に応じる。冊子は県のホームページからでもダウンロードできる。
問い合わせは県建設管理課<電088(621)2523>。
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