徳島で幼少期から青年期まで過ごした社会運動家賀川豊彦(1888~1960年)の足跡をたどる特別展「賀川豊彦の欧米歴訪」が、鳴門市大麻町の市賀川豊彦記念館で開かれている。賀川が1950年に欧米で遊説した際の現地の新聞記事を中心に展示し、賀川の国際的な評価の高さを知ることができる。7月末まで。
記念館建設発起人の一人、田渕豊さん(72)=元市議、同町桧=がドイツ在住の知人から提供された新聞記事のコピー6点などを並べている。
賀川は50年1月から1年間、世界宣教教会などに招かれ、英国を皮切りに旧西ドイツや北欧、米国などを遊説した。
50年4月12日付のハンブルクの日刊紙では、賀川が現地の教会で行った講演の模様を紹介し「その小さな男は説教壇の上で見えなくなりそうな様子で立っている」「ときどきひっくり返る声で、ひどく片言の英語で、祖国でのキリスト教化の話を説明している」などと伝えている。
田渕さんは「戦後間もない時期に、敗戦国の牧師である賀川が欧米で歓迎されたことを知ってもらいたい」と話している。
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