徳島県が徳島市文化センター跡地などに整備する新ホールの公募型プロポーザルの2次審査が18日、徳島市のホテル千秋閣で始まった。1次審査を通過した設計者5社が共同企業体を構成し、それぞれのプランをプレゼンテーション。建築家ユニット「SANAA」の一人、妹島和世委員長ら専門家6人が審査した。19日に非公開のヒアリング審査を行い、施工計画や価格などを評価して優先交渉権者を決める。

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 18日に発表されたプランの概要を紹介する。

◇「ソーラー、木材、藍色で徳島の新たな個性をつくる」

JVを構成する事業者:前田建設工業四国支店(高松市)、鴻池組大阪本店(大阪市)、吉成建設(鳴門市)、岡田組(徳島市)、久米設計大阪支社(大阪市)、内藤廣建築設計事務所(東京都)

 屋根が大きなソーラーパネルになっており、使用電力の80%を発電する。徳島県産の木材のほか、さまざまな場所で藍色を豊富に使い、徳島の歴史や自然を表現する。海の博物館(三重県)などで知られる建築家・内藤廣さんは「これまでソーラーパネルは建築の添え物だった。ソーラーを建築化することで建築の新しい形式を生み出すとともに、省エネルギー、創エネルギーなど地球環境に対する公共の姿勢を示したい」と語った。

「新しい建築の形式を生み出したい」と話す内藤さん=同市のホテル千秋閣
 
 

 鳴門市役所新庁舎の建設については、内藤廣建築設計事務所を含む前田建設工業を中心にしたJVが優先交渉権者になっている。

 

◇「広場のようなホール/ホールのような広場」

JVを構成する事業者:SALHAUS(東京都)、安井建築設計事務所(大阪市)、大林組四国支店(高松市)、亀井組(鳴門市)、北岡組(美馬市)、美土利建設工業(徳島市)、藤崎建設(徳島市)、丸浦工業(三好市)

 徳島中央公園から寺島公園までを一体的に捉え、大きな緑の立体公園のような風景を生み出す。市役所側から東側道路を「ひろばホール」という屋根付きの広場で結び、街とホールを融合させる。

 
 

 

◇「AWA art garden つながるみんなの舞台」

JVを構成する事業者:團紀彦建築設計事務所(東京都)、昭和設計(大阪市)、竹中工務店四国支店(高松市)、フジタ四国支店(高松市)、姫野組(徳島市)、坂本工務店(徳島市)、鳳建設(徳島市)、平山建設(徳島市)

 災害時の避難場所にもなる7つの庭園を配置。大ホールと小ホールが屋外スペースを間にして向き合うように配置されており、連結して活用できるようにしている。徳島中央公園から新町川水際公園までを緑でつなげ、国道などで分断された市中心街に一体感を生む。

 
 

 

◇「舞うように集まる」

JVを構成する事業者:熊谷組四国支店(高松市)、石上純也建築設計事務所(東京都)、IAO竹田設計(東京都)、アクト環境計画(東京都)、ピーエス三菱大阪支店(大阪市)、野村建設工業(大阪市)

 「箱ではなくランドスケープをつくる」「多様な価値観を生み出す」をテーマに、花びらのようないくつものテラスが、表情の異なる空間を生み出す斬新なデザインを提案。建築家の石上純也氏は「ホールは使わないときに閉じた箱になる。今回はそれを分解し、細かな空間の集合体にした。日常的には地域の人たちがホワイエを公演や展示に使える。芝生エリアもあり、子どもが遊べる。いろんな人がいろんな活動を起こせる環境をつくりたいと思った。同時に、施設全体が徳島の新しい観光スポットになることも目指した」と話した。

「箱ではなく、軽やかなランドスケープを生むことを目指した」と話す石上さん
 
 

 

◇「様々な活動を巻き込み、文化の多様性を育む『うずしおホール』」

JVを構成する事業者:清水建設四国支店(高松市)、梓設計関西支社(大阪市)、藤本壮介建築設計事務所(東京都)、西松建設四国支店(高松市)、島谷建設(徳島市)、吉岡組(藍住町)、北島コーポレーション(徳島市)

 寺島公園から始まるなだらかな屋上庭園が、徳島中央公園や新町川水際公園と連続した「緑の回廊」をつくる。主要機能は2階以上に配置し、災害時に防災拠点として機能する。チームラボを設計チームに迎え、インタラクティブなデジタルアートと建築が融合した空間を生み出す。