徳島市は、3月末で閉館した眉山山頂のモラエス館の収蔵品を30日から徳島駅前のアミコビルと徳島大常三島キャンパスで展示する。収蔵品の新たな常設展示場となる眉山山頂展望休憩施設の改修が終わる2016年10月ごろまでの一時的な措置。市は「モラエスをより多くの人に知ってもらう機会になる」と期待している。
 
 徳島市は、3月末で閉館した眉山山頂のモラエス館の収蔵品を30日から徳島駅前のアミコビルと徳島大常三島キャンパスで展示する。収蔵品の新たな常設展示場となる眉山山頂展望休憩施設の改修が終わる2016年10月ごろまでの一時的な措置。市は「モラエスをより多くの人に知ってもらう機会になる」と期待している。
 
 収蔵品を展示するのはアミコビル1階の専門店街の一画(58平方メートル)と徳島大総合科学部2号館・地域連携プラザ1階の多目的室(73平方メートル)。施設管理者の協力を得て、いずれも無償で借りた。
 
 展示品は著作や直筆の絵はがき、写真など約500点ある収蔵品のうちの8割程度となる見通し。多くの買い物客らが立ち寄るアミコは一般県民がモラエスに興味を持つきっかけになるような展示を考え、徳島大では学生らの研究にも生かせる貴重な品を中心に並べる方針。

 展示場にはボランティアのガイドが常駐し、展示品の案内や解説をする。オープンする30日はモラエスの誕生日。市観光課の担当者は「展示場所が2カ所に分かれる不便さはあるが、継続的に顕彰していくことが大事。気軽にモラエスに触れてほしい」と話す。

 両展示場とも観覧無料。アミコが専門店街営業日の午前10時10分~午後5時、徳島大が毎週水曜日午後1時~同5時15分に観覧できる。

 モラエス館は晩年を市内で過ごしたポルトガルの文人モラエス(1854~1929年)を顕彰する施設で1976年にオープンした。老朽化のため2015年度中に解体され、市が跡地に新たな観光展望施設を建設する。