昔ながらの格好の金魚売り。当時すでに県内唯一の存在となっていた=1966(昭和41)年、本社所蔵写真

 フナの突然変異を人工的に管理して生まれた金魚。古くから観賞魚として人々に愛されてきた。夏場にガラスの器で漂う姿は、見た目の涼しさを誘う。

 その金魚を売る行商が金魚売り。江戸時代に金魚の繁殖が盛んになり、人々の生活向上とともに観賞魚として飼われるようになり、夏場になるとてんびん棒にぶら下げた、たらいに金魚を入れて売るスタイルが登場した。

 「金魚や~金魚~」。独特の売り声で街を回る金魚売りの姿は季語にもなり、風物詩として知られているが、その姿は遠い昔の光景だと思っていた。

 1966(昭和41)年に徳島市内で撮影されたこの写真には、法被姿の金魚売りが記録されている。とはいえ、当時すでに珍しい光景になっていたようで、写真のキャプションには県内唯一の金魚売りとある。この人を最後に、歩きながら金魚を売る姿は徳島から消えたようだ。