中国残留孤児だった父の半生について話す城戸さん=阿波観光ホテル

中国残留孤児だった父の半生について話す城戸さん=阿波観光ホテル

 徳島大出身のノンフィクション作家、城戸久枝さん(39)=横浜市=が17日、徳島市の阿波観光ホテルで中国残留孤児をテーマに講演した。NPO法人内蒙古愛陽(あいやん)教育経済支援協会(徳島市)法人化10周年事業の一環で、約60人が参加した。
 
 城戸さんの父は満州で生まれ、幼くして両親とはぐれた中国残留孤児。1970年に帰国するまでの半生に触れ「父は大切に育ててくれた養母との別れを思い悩んだ。戦争の悲劇が、祖国を選択せざるを得ない人たちを生んだ」と語った。
 
 目の前で家族を殺され、中国に1人残された女性の体験談なども紹介し「戦後70年、あの戦争の記憶をどう伝えていくかを考えなければ」と訴えた。
 
 城戸さんは18日午前10時半から徳島大総合科学部でも講演する。