成長が早くサイズが大きい鳴門わかめの新品種(右)と従来品種(いずれも県水産研究課提供)

 鳴門わかめの品種改良に取り組む徳島県立農林水産総合技術支援センター水産研究課(鳴門市瀬戸町堂浦)が、従来品種に比べて成長が早く、大型の新品種を開発した。収穫時季を早められるとともに、収量アップが期待でき、今季から地元漁業者と共同で本格的な養殖を始める。

 新品種は、阿南市椿泊沖の天然ワカメから採取した雄の配偶体と、鳴門わかめのわせ品種から採った雌の配偶体を交配させた。

 13、14両年度の11月から鳴門、小松島、阿南3市と美波町の沿岸計11カ所で養殖試験を実施。1~2月に収穫したところ、可食部の葉は肉厚で重さが同時に養殖した従来品種の1・2~1・9倍あり、味や品質は変わらなかった。

 成長が早いのも特長だ。鳴門わかめは、1月中旬から収穫期に入るが、新品種は初旬でも収穫できるサイズに育っていた。品薄期に出荷できる早採りワカメは高値で取引されることから付加価値が高い。

 県水産研究課によると、鳴門市沿岸海域は地球温暖化の影響で水温が上昇傾向にあり、約50年前と比べて1~1・5度高くなっている。ワカメは水温が上がると生育が悪くなるため、同課は10年度から、高水温に適した品種の研究に着手。鳴門市沖より水温の高い地域のワカメとの交配を試みてきた。

 県水産研究課は、15年9月から地元漁業者と新品種の種苗生産を始め、11月から養殖を行う。

 鳴門わかめの生産量は1993年に1万4231トンだったが、20年後の13年は6453トンと半分以下に落ち込んだ。水温上昇や生産者の減少が主因で、安い輸入品との競合で単価も低迷している。

 新品種開発を手掛けた棚田教生主任は「今後も環境の変化に合わせ、品種の改良や開発を進め、鳴門わかめの生産量と生産額を上げていきたい」と話している。