太平洋戦争末期、松茂町の旧徳島海軍航空基地から飛び立った白菊特攻隊員をしのぶ恒例の花火が、23日から徳島市の小松海岸で打ち上げられる。今年は戦後70年の節目に当たることから、出撃前夜に当たる初日は、命を落とした隊員数と同じ56発を夜空に放つ。主催する実行委員会は27万円を目標に寄付を募っている。
白菊花火は、県内の花火愛好家有志らが5年前から毎年、出撃前夜の23日と、飛び立った24、27、28日、6月21、25日の午後8時前後に、白菊が2人乗りだったことにちなみ、毎夜2発ずつ放っている。今年も24日以降は2発ずつ打ち上げる。
実行委員長の澤内健司さん(43)=小松島市中田町、不動産業=は「日本の明るい未来を願って散った若者たちがいたことを、花火を通して多くの人に知ってほしい」と話している。
当時、基地で隊員だった千玄室さん(裏千家大宗匠、前家元)が、茶をたてて飛び立つ仲間を送った。白菊花火でも「徳島白菊特攻隊を語り継ぐ会」会長で裏千家淡交会徳島支部の山下釈道さん(51)=徳島市佐古七番町、神職=らが来場者に茶を振る舞う。
寄付は1口千円で、打ち上げ当日の23日まで受け付ける。会場への持参も可。問い合わせは澤内さん<電080(1009)1009>。