発表資料に目を通し、スペインでの講演に備えて準備する坂東警部=県警本部

発表資料に目を通し、スペインでの講演に備えて準備する坂東警部=県警本部

 徳島県警生活環境課サイバー犯罪対策室の坂東賢太郎警部(45)が、26~29日にスペイン・バルセロナで開かれるサイバー犯罪対策に関する国際シンポジウムに出席し、自身が携わった事件について講演する。日本の警察官では唯一の参加で、坂東警部は「各国の取り組みを学び、今後に役立てたい」と意気込んでいる。
 
 シンポジウムは米国の非営利団体「APWG」が開く。数十カ国から捜査機関、大学、企業の200人以上が参加し、サイバー犯罪の被害や対策をテーマにした基調講演、パネルディスカッションなどが予定されている。

 坂東警部の講演は27日にあり、2014年の全国一斉捜査で中国人ら12人を逮捕した不正アクセス事件の概要を解説する。この事件ではインターネットの接続記録が残らないように、複数の民家などで大量のサーバーが不正運営されていた。犯行現場などの写真、図を交えながら摘発に至る経緯を紹介し、対策の重要性を訴える。

 12~14年度に徳島県警から警察庁情報技術犯罪対策課に出向していた坂東警部は、ネットバンキングの不正送金事案などを担当した。APWGのアジア地区事務局から実績や経験を買われ、講演の打診があった。

 日本の警察官がシンポジウムで講演するのは昨年に続き2人目。

 坂東警部は「これまでの取り組みが認められたようでうれしい。海外の対策を持ち帰り、県民の安心安全につなげていきたい」と話した。