太平洋戦争末期、松茂町の旧徳島海軍航空基地から練習機「白菊」で飛び立った白菊特攻隊員を追悼する花火が23日、徳島市の小松海岸で打ち上げられた。この日は、第1陣の隊員が基地を出発してからちょうど70年。命を落とした隊員数と同じ56発が夜空を彩った。
県内の花火師有志でつくる実行委員会が打ち上げ、今年で6年目。白菊に2人が乗り組んでいたことにちなみ、白い菊をイメージした2発ずつの花火が午後8時ごろから打ち上げられた。この後、集まった約70人で黙とうをささげた。
隊員だった茶道裏千家前家元の千玄室さんが当時、茶をたてて仲間を見送った逸話に合わせ、「徳島白菊特攻隊を語り継ぐ会」の山下釈道(しゃくどう)会長(51)らが茶を振る舞った。
家族と来ていた徳島文理高校1年山下太一君(15)は「同年代の人たちが特攻で散ったと考えると胸が痛い。僕たちの世代が歴史を知り、忘れないようにしないと」と話した。
隊員は70年前の23日、松茂町から鹿児島県の旧串良(くしら)基地へ向けて出発した。花火は、隊員が同基地から出撃した24、27、28日、6月21、25日の午後8時前後にも2発ずつ打ち上げる。