四国霊場の数と同じ88カ所の遍路宿を四国に整備しようと千葉県の認定NPO法人が開設を進めている「お遍路ハウス四国88」が、順調に増えている。徳島県内に8カ所、4県合わせて38カ所が誕生した。法人は17日、遍路宿の提供・管理希望者を対象にした説明会を徳島市のとくぎんトモニプラザで開く。
認定NPO法人ニュースタート事務局(千葉県市川市)によると、お遍路ハウスは空き家や空き部屋などを宿泊費千~4千円(素泊まり)で提供。所有者や移住者らが管理人を務め、3~5月と、9~11月の遍路シーズンに運営している。利用者の7割は外国人だという。
2016年4月に愛媛県に6カ所ができたのを皮切りに、これまでに愛媛13カ所、香川9カ所、高知8カ所が開設されている。
徳島では17年3月に初めて、1番・霊山寺(鳴門市大麻町板東)近くの空き家を生かした「お遍路ハウス一番門前通り」が誕生。徳島、阿南、吉野川、阿波、海陽、板野の6市町にもできた。
一番門前通りは2階建て住宅の3室を活用し、定員は1日7人(宿泊費2800円)。シーズンには外国人や高齢の遍路が多い。結願後に再び訪ねてくる人もおり、管理人の石田大さん(44)=同所、小売業=は「遍路前後の変化を感じられるのが魅力」と言う。
138回結願した経験のある公認先達の高原隆子さん(76)=同市大麻町板東=も協力し、お遍路さんにマナーや準備物について助言。「不安のある遍路客に、ハウスで心を整えてほしい」と話す。
説明会では、事務局の二神(ふたがみ)能基(のうき)理事=松山市出身=がハウスの提供条件などを説明する。「お遍路文化を受け入れてきた四国の活性化につなげたい」と、参加を呼び掛けている。
午後2時から。無料。前日までに予約が必要。問い合わせは事務局<電047(307)3676>。