ヨットで四国を訪れ、寄港地を拠点に四国八十八カ所霊場を歩き遍路で巡る関西在住の5人が25日、美波町奥河内の日和佐港を訪れ、最寄りの23番札所・薬王寺を参拝した。高野山の開創1200年に合わせ、今月9日に大阪市を出港して始まったヨットでの遍路旅は、約3カ月かけての結願を目指す。一行は「太平洋の荒波にもまれながら、自分自身を見つめ直したい」と意欲を見せた。
橋本敏夫さん(63)=大阪市=ら5人は、2014年11月に橋本さんが会社を定年退職したのを機に、共同所有するヨットの遍路旅を計画した。
全行程は船での移動と歩き遍路を合わせ、約2千キロと長い旅路となる。公認先達として同行している「歩き遍路の会」の山下正樹会長(70)=奈良県大和郡山市=は「ヨットでのお遍路は初めて聞いた。新しい楽しみ方の一つになるのではないか」と話す。
一行は11日に徳島市のケンチョピアに停泊し、1~22番札所を参拝した。25日は約60キロ離れた日和佐港まで約6時間かけて航海した。26日に同港を出航し、室津港(高知県室戸市)に立ち寄り、24番札所・最御崎寺から歩き遍路を再開する。
今後は25カ所に寄港し、船内や遍路宿に宿泊しながら、歩き遍路の旅を続ける。結願後、8月中旬に大阪港へ帰港する予定だ。
橋本さんは「太平洋に入って波やうねりが高くなり、これからが本格的な船旅になる。四国で出会う人との交流を楽しみながら苦難を乗り越え、結願を目指したい」と話している。