鳴門市のウチノ海に浮かぶ鏡島。ハートの形に見える(小川直樹さん提供)

 徳島県鳴門市のウチノ海に浮かぶ無人島「鏡島」がハートの形に見えると話題になっている。地元写真家が小型無人機ドローンで空撮したのがきっかけで知られ、市うずしお観光協会などがPRに乗り出した。半面、島は漁協が神事を営む場であるほか、周辺は漁船の往来が多く危険もあることから個人には開放せず、ツアーでの観光資源化を模索する。

 鏡島はウチノ海の北寄り、島田島と大毛島の間にある。面積1166平方メートル、周囲約150メートルで市が所有している。

 ドローンで各地を空撮している同市鳴門町土佐泊浦の写真家小川直樹さん(60)が今年6月に撮影し、ハート形を確認した。小川さんによると、特に満潮の時間帯に、白い海岸線と海の青緑で輪郭が際立つという。

 「新型コロナウイルス禍で外出しづらい中、明るい気持ちになってもらいたい」と動画投稿サイト「ユーチューブ」で映像を公開した。ハート形であることを知った観光協会などは11月4日、旅行業界やメディアなど関係者向けに見学会を計画している。

 一方、地元の堂浦漁協(瀬戸町)では毎年1月に「竜宮祭」を行い、鏡島に渡って海の安全や大漁を祈願する。好漁場である周辺は漁船が行き交うほか、釣りや養殖用のいかだも多い。

 漁協の大山登組合長(73)は「地域で拝んできた大事な場所。個人がカヤックなどで勝手に向かうと、漁船と衝突する危険性もある。観光資源になるのはうれしい半面、心配もある」と不安をのぞかせる。

 これを踏まえ、観光関係者は、島を個人向けに一般開放するのではなく、ボートによる周遊ツアーなどを検討している。

(佐藤陽香)