カンボジアの子どもの教育支援に取り組むNPO法人・アプサラ(徳島市)が同国のトリアル小学校に図書館を建設している。「AWA図書館」と名付けた。現地の児童が普段手にすることが難しい辞書や図鑑、地図帳などの書籍も併せて贈る。現地の保護者の要望に応え、3年かけて建設資金を集めた。アプサラが同国で学校施設を整備するのは4カ所目。
トリアル小学校は同国中部のコンポントム州・バライ地区にあり、約1200人の児童が通う。図書館はレンガ造りの平屋約27平方メートルで、5月上旬に着工した。7月下旬の完成を目指している。
トリアル小学校は鈴木仁理事長(64)=徳島市中昭和町2=らが学用品を贈る支援活動をしてきたことが縁で頻繁に訪問している。
図書館の建設は2012年に立ち寄った際に保護者から「図書館が欲しい」との要望を聞いたのがきっかけ。同年に資金集めを始め、会員約500人からの会費や県内外で募った寄付金、主催するバザーの収益金を合わせ約200万円を確保した。
カンボジアでは1990年代の内戦終了後、貧富の差が拡大。教育環境は悪く、ハード、ソフト両面で整備が進んでいない。鈴木理事長は娘婿が同国出身だった縁で、こうした実情を知り、支援に力を入れるようになったという。
鈴木理事長は02年、同国の子どもたちに文房具を贈ろうとサークルを設立。12年にNPO法人の認証を受けた。08年から14年までに幼稚園舎や日本語学校の校舎、学校図書館を造った。
鈴木理事長は「教育環境が少しでも改善され、将来の国づくりを担う人材が多く育てばうれしい」と話している。
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