浸水被害があった現場付近で、現地調査を行う学識者ら=那賀町

浸水被害があった現場付近で、現地調査を行う学識者ら=那賀町

 河川や防災の専門家らでつくる「那賀川学識者会議」のメンバー3人が28日、2014年8月の台風11号で甚大な浸水被害を受けた阿南市加茂町や那賀町和食地区など那賀川流域8カ所を視察した。2月に変更した那賀川水系河川整備計画の点検に役立てる。

 国土交通省那賀川河川事務所や県の職員が、浸水当時の写真を見せながら、被害状況などを説明した。和食地区では、2007年に策定した河川整備計画に盛り込まれた「輪中堤」計画で設定していた堤防の高さを、昨年の浸水の高さを踏まえて変更し、1・3メートルかさ上げする方針を報告した。

 参加した徳島大工学部の河口洋一准教授(河川生態学)は「被害の大小や雨の降り方が場所によって違うことなどがよく分かった。現行の計画を検討し直すべき場所があることも確認できた」と話していた。

 現地視察は学識者会議の別のメンバーが参加し、29日も行われる。