今夏の徳島市の阿波踊り(8月12~15日)を主催する「阿波おどり実行委員会」は、市役所前、藍場浜、紺屋町、南内町の有料4演舞場の2部(前後半制の後半)のフィナーレで、複数の有名連による踊り込みを行うことを決めた。踊りの魅力向上とチケットの売り上げアップにつなげる。

 実行委によると、フィナーレに出演するのは、原則として県阿波踊り協会、阿波おどり振興協会に所属または所属していた計33連(振興協会を5月に退会したうずき連、ゑびす連を含む)。想定では、1カ所の演舞場に5、6連が連続して踊り込む。

 各演舞場で4日間とも午後10時~10時半に実施し、2部(午後8時半~10時半)の来場者の増加につなげる。実行委は各演舞場に配置する連の調整を続けており、チケットの一般販売が始まる7月1日までに決定する見通し。

 昨年の有料4演舞場のチケット販売率は1、2部平均で84・4%。1部の90%に対し、2部は78・5%と落ち込んだ。特に低調なのが市役所前演舞場で、最終日の販売率は27・2%だった。

 同市の吉岡健次経済部長は「これまで各演舞場でチケット販売率に差があった。新しい取り組みで販売収入を底上げしたい」と話した。

阿波おどり振興協会合同連の総踊り=2017年8月13日、南内町演舞場

南内町  総踊り中止も

 有料演舞場での有名連の踊り込みに伴い、同時刻に阿波おどり振興協会の合同連が南内町演舞場で行っていた総踊りが実施されない可能性が出てきた。映画「眉山」のラストシーンに採用されるなど全国のファンを魅了してきただけに、惜しむ声が上がりそうだ。

 総踊りは、振興協会が運営する同演舞場の来場者を増やそうと20年以上前に始めた。総勢約1500人が4日間、2部のフィナーレを飾っていた。同演舞場の2部の桟敷席は有料4演舞場の中で最も人気が高かった。

 実行委員会は、今夏に実施する踊り込みへの参加を振興協会の所属連にも呼び掛ける方針で、総踊りへの影響は避けられない。

 実行委は「南内町演舞場に偏っていた2部のチケット販売率の平準化を図りたい。総踊りについては、実施するかどうかも含めて検討中」としている。