第34回「ベートーベン『第九』交響曲演奏会」(鳴門市、認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会主催)が6月7日、鳴門市文化会館で開かれる。第1次世界大戦中、板東俘虜(ふりょ)収容所(同市大麻町)のドイツ人捕虜がアジアで初めて第九を演奏してから97年。市は本年度を100周年へ向けたカウントダウン開始年と位置づけており、姉妹都市ドイツ・リューネブルク市から指揮者を招くほか、8日には大塚国際美術館で特別公演を催す。
指揮者は、リュ市の市立劇場で音楽監督を務めるトーマス・ドーシュ氏。「第九」交響曲演奏会に同劇場から指揮者を招くのは、2002年に当時の音楽監督だったウルス・ミハエル・トイス氏以来、13年ぶり2人目。特別公演でもタクトを振る。
ドーシュ氏は2日に鳴門入り。4日に鳴門西小学校で楽器の演奏や合唱の指導を行うほか、9日までの滞在中、歌う会や徳島交響楽団が催す懇親会に出席して交流を深める。
演奏会は午後1時半から。県内の4合唱団172人を含む全国51団体の577人と、ドイツから女性1人が出演。ソプラノの西本真子、テノールの谷浩一郎の両氏ら全国公募で選ばれたソリスト4人と共に歓喜の歌声を響かせる。
板東俘虜収容所の松江豊寿所長の出身地で、鳴門市の合唱団と15年間交流を続ける福島県会津若松市の合唱団「会津第九の会」の小熊慎司会長ら3人もステージで高らかに歌う。
特別公演は「美術館でなるとの第九」と銘打ち、大塚国際美術館のシスティーナホールで午前10時半に開演。27団体190人が第九を歌い、ソリストがオペラの名曲「トスカ」などを披露する。