若者への選挙啓発に取り組むTYME共同代表・徳島大総合科学部4年の堀井さん

 堀井麗以さん(22)TYME共同代表・徳島大総合科学部4年

 2016年、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた。その前年の15年に徳島大の学生が集まり、若者への選挙啓発に取り組もうと「TYME(タイム)」を発足させた。国政選挙などの機会を捉え、有識者を招いた討論会や勉強会を開催。衆院選公示を控えた14、15両日には徳島1、2区の立候補予定者を招き公開討論会を行った。政治に対する心理的なハードルを下げようと知恵を絞る。

 新型コロナウイルス禍が活動に影響を与えている。今年8月の討論会はオンライン開催に切り替えた。県民に警戒を促す「とくしまアラート」が、政府分科会が示すステージ2相当の「感染拡大注意漸増」から下がらなかったためだ。急きょ、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」のリンク先をツイッターで紹介した。しかし、ズームなどを利用したことのない人が参加しづらくなった。

 会員制交流サイト(SNS)の特徴は、社会の多種多様な声がいくらでも飛び込んでくる点だろう。しかも、当事者が直接訴えるので人の心を動かす力がある。近年では「保育園落ちた日本死ね」とブログに書き込んだ女性が、瞬く間に社会の共感を呼んだのが好例だ。

 一方で、新型コロナワクチンの副作用に関するデマが広がったように、SNSで飛び交う情報には虚実が入り乱れている。

 新聞には、その調査能力で誤った情報を打ち消し、社会に正確な情報を提供する役割を期待したい。スクープや速報も大事だが、立ち止まって事実を確かめたり、検証したりするのは新聞でなければできない仕事だと感じる。

 県内の学生の投票率は低いままだ。社会に対して不満がないわけではない。国の交付金削減による大学授業料の高騰や、それに伴う奨学金受給者の増加、高い学費に見合わないオンライン授業の質、コロナ禍で困難を極める就職活動―。少し思い返しただけで、身の回りに課題が山積しているのが分かる。

 学生が政治に関心を持っていないのではない。今まで社会に対して、自分たちの不満を適切に表現できていなかっただけのことだ。コロナ禍で、私たちを取り巻く課題が一層明確に浮かび上がったと感じている。

 学生も有権者なのだから、学生に向けた公約がもっとあっていいと思う。「票はここにもあるんだぞ」と立候補者に気付いてもらうためにも、新聞が私たちの声により一層、光を当ててくれたら心強い。

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