19日公示される衆院選では、新型コロナウイルス対策をはじめ、コロナ禍で打撃を受けた経済の立て直しや、年金など社会保障改革、子育て支援、地方創生など争点がめじろ押しだ。県内の有権者は政治に何を求めているのか。選挙戦を前に思いを聞いた。

●中内こず恵さん(43) 阿南市宝田町郡・雑貨店経営

中内こず恵さん

 パラシュートのロープを使った手作りの雑貨を販売している。起業を考える女性は増えており、税金の仕組みや集客方法といった経営に関する知識とノウハウを学べる機会を増やしてほしい。開業時の補助金申請の中には交付までの期間が長い制度もあり、利用者に寄り添った内容に改める必要がある。

●上田柚香さん(18) 徳島市応神町古川・四国大1年

上田柚香さん

 進学で兵庫県から徳島に来た。駅周辺に飲食店や洋服店、雑貨店、映画館など若い世代が遊べる場所が少ない。駅の周りが一日中過ごせる場所になれば、行き交う人が増えてにぎわうと思う。まちづくりなど政治に関わる機会がほとんどなく情報もあまり入らない。若者に届きやすい発信方法も考えてほしい。

●矢部貴大さん(24) 徳島市名東町1・農業研修生

矢部貴大さん

 スダチ農家として独立するため、5月に大阪から徳島に移住し、神山町で栽培方法を学んでいる。新規就農者や移住者が借りられる農地は耕作放棄地が多く、木を植え直しても5~10年は十分な収量がない。耕作放棄地になる前に就農希望者に農地を譲り渡せるようなマッチング制度の拡充を希望する。

●長岡優子さん(38) 北島町中村・主婦

長岡優子さん

 子育て世代は経済的不安を抱え、2人目、3人目が欲しくても諦める人が多い。保育園を使わず自宅で子育てをしたい母親のため、夫の収入だけで家計を賄えるようにしてもらいたい。20~40代の賃金を上げ、大学までの学費を無償化してほしい。明るい希望が持てれば子どもが増え、消費拡大も図れる。

●上田ゆりえさん(33) 鳴門市撫養町小桑島・酒類販売

上田ゆりえさん

 コロナ感染拡大による休校で、商品の仕入れ先に勤める女性が子どもを世話するために働けなくなり入荷が遅れた。この女性らの働きやすさを支える職業である保育士や介護福祉士らの待遇改善が必要だ。給付金を増やしたり基本給を上げたりして、誰もが仕事をしやすい環境を整備する経済施策を望む。

●高田進さん(75) 三好市山城町大川持・パート従業員

高田進さん

 年金が主な収入源となっている。受給額が多くないため、パートの仕事を続けないと暮らしに余裕は生まれない。「老後2千万円問題」が叫ばれる中、安心できる年金制度を実現し、若い世代が退職後に不安を抱かないようにしてほしい。将来に向けた財源確保の方策など、制度についての活発な論戦を求める。

●吉岡誠さん(68) 那賀町花瀬・旅館経営

吉岡誠さん

 「アフターコロナ」を見据えた訪日外国人の誘客など、観光開発に力を入れてほしい。農山村の自然や文化を生かした体験型観光は、これからもっと需要が見込めると思う。観光業は裾野が広く、地方産業の要だ。働き口が増えれば若者の移住定住につながり、活性化する。

●長井淳さん(49) 海陽町宍喰浦・郵便局員

長井淳さん

 9月に線状降水帯による豪雨が発生した海陽町では、国道55号が数カ所冠水した。6時間以上にわたって通行止めになった場所もあった。緊急車両も通れず命の危険性を感じた。以前にも冠水しており、対策が進んでいない。口先だけでなく、しっかりと防災対策に取り組む人に一票を投じるつもりだ。

●中川智尋さん(27) 吉野川市鴨島町西麻植・看護師

中川智尋さん

 感染防止対策やワクチン接種といったコロナ対応で業務が増えており、サポート体制の充実を望む。入院されている方は面会を制限され、家族と会う機会も減っていて不安も少なくない。オンライン面会も行っているが、不慣れな人でも手軽に使える機器やシステムの整備を広く進めてほしい。

●住村洋昌さん(40) 小松島市小松島町元根井・漁業

住村洋昌さん

 子どもに将来の職業として漁師を勧められる環境をつくってほしい。コロナ禍でイベントや飲食店が制限され、魚の市場価格が2割ほど落ち込んでいる。価格低迷や燃料費高騰などで、出漁すれば赤字になってしまう。単発の休業補償だけでなく、燃料費や漁具修繕費などを継続的に支援する制度が必要だ。

●竹中均さん(49) 美馬市脇町井口東・農園経営

竹中均さん

 国民の知らない間に成立している法案もある。もっと市民の声に耳を傾け、距離の近い政治を望む。税金の使い道に納得できるようクリアに説明してほしい。高齢で働けなくなっても安心した生活ができるのか、心配だ。少子化対策や格差是正など、不安に向き合った施策を打ち出してもらいたい。

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