阿南市は、市内各地の四季折々の風景を集めた写真集「阿南風景百選」(B5判、64ページ、オールカラー)を発刊した。2013年4月に公募した作品の中から、100点を収録。清流・那賀川や「午尾(ごお)の滝」、LEDイルミネーションなど、阿南の豊かな自然や人々の暮らしが切り取られている。
収録しているのは、満開の桜の下で行われる椿町のシロウオ漁、等身大の阿波踊り竹人形が夕闇に浮かぶ富岡町の夏祭り、うっすらと雪化粧した四国霊場21番札所・太龍寺など。海、山、川の自然に恵まれた阿南市ならではの風景が並んでいる。
同市在住の写真家木田英之さん(81)=日本リアリズム写真集団徳島支部長=と、市出身の俳人大高翔さん(37)が審査。市内外の113人の614作品から、春夏秋冬の季節ごとに大賞と特別賞各1点、入選23点を選んだ。
大賞・特別賞8点には、大高さんが写真に合わせて句を寄せており、夏の部の大賞に選ばれた松浦孝さん(68)=同市富岡町今福寺=の竹人形を写した「夏の夕暮れ一踊り」には「竹のごと手足撓(しな)らせ阿波踊」と添えている。
非売品で150部発行。入賞・入選者や市内小中学校、図書館、公民館に配られる。市商工観光労政課の山脇雅彦課長は「近くにあっても、まだ知らない風景に関心を持ってもらい、地元への愛着を深めてほしい」と話している。