勝浦川と那賀川上流を除く徳島県内の主要河川で1日、アユ漁が解禁された。河川によっては遡上が少なく、型も小ぶりだが、大勢の釣り人が早朝から川べりに並び、さおの感触を楽しんだ。
■吉野川上流 三好市山城町国政の鮎戸(あど)ノ瀬では5、6人が岩場に陣取り、針で引っ掛ける「なぐり釣り」で急流を遡上するアユを狙った。水量は例年並みだが魚影は薄く、10~13センチと型もやや小ぶりだった。
2時間で10匹ほど釣った同町大月の化粧品販売業秋幸二さん(71)は「昨年の解禁日はさっぱりだったので出だしとしてはまずまず。水温が上がればアユも動きだすだろう」と期待した。
■吉野川中流 阿波市吉野町柿原の柿原堰(ぜき)周辺では20人ほどが、針に餌を付けずに川底を滑らせて引っ掛ける「ころがし釣り」で当たりを探った。川に浮かべたかんどり舟から若アユを狙う姿も見られた。
水量は例年より少なく、魚体も5~12センチと小さめ。40年近くアユ漁を続ける同町柿原の無職宮下初美さん(79)は「2時間で20匹を釣ったが、多い年は倍以上は釣れる。水温が上がる夏に期待したい」と話した。
■那賀川下流 阿南市十八女(さかり)町の十八女大橋付近では7、8人がさおを出し、「ころがし釣り」で当たりを待った。遡上は例年並みで、10センチ以下の小ぶりが目立った。
徳島市北沖洲1の無職木下敏久さん(75)は「毎年解禁日を楽しみにしている。そこそこ掛かっているが、まだまだ小さい」と話していた。
■海部川上流 海陽町小川の皆ノ瀬橋周辺では約15人が「友釣り」でアユを狙った。サイズは15センチ前後と海部川としてはやや小ぶりだが、2、3月に雨がよく降った影響で遡上は例年より多めという。
約20センチの良型を釣り上げた徳島市安宅2の会社員白井清さん(66)は「今年は遡上がいいと聞いている。もっと大きくなるこれからが楽しみ」と期待していた。