31日投開票の衆院選で、徳島2区は自民前職の山口俊一氏の当選が確実となった。

支持者と共に万歳三唱で喜びをかみしめる山口さん(中央)=31日午後8時10分ごろ、松茂町
 

 徳島2区で立候補した自民前職の山口俊一氏(71)の第一声を、人工知能(AI)で登場回数や特異性を分析する「AIテキストマイニング」で読み解いた。

 
 

やまぐち・しゅんいち 青山学院大文学部卒。県議4期。郵政政務次官、総務副大臣、首相補佐官、財務副大臣、沖縄北方兼科学技術担当相などを歴任。地球環境行動会議会長。当選10回。三好市池田町ウエノ。

■【訴え】県民の幸福増進に挑戦 

 民主党から政権を取り戻して以降、安倍政権、菅政権と長きにわたり安定した政治基盤が構築され、一時期の政権交代によって傷んだ経済は株価の大幅上昇に見られるように自民党政権で著しく改善されました。
 しかし、諸外国で実質賃金が上昇しているにもかかわらずわが国では下落するなど、この9年間で分断と格差のひずみが広がり、地方と都市とのあつれきも生まれました。いわゆる日の当たらない負の部分です。この部分にどうやって日を当てていくのかが現在の最大の課題であり、1年半を超えるコロナ禍においては、この問題がさらに大きくクローズアップされ、浮き彫りになりました。
 国民から発せられる自民党政権への批判を真摯(しんし)に受け止め、大胆に政策を修正していくことができるのが、わが自民党の良いところです。この度、岸田新政権が誕生し、この負の部分をしっかり是正していこうとの経済運営大方針が明確に示されました。
 今後、ポストコロナ時代において新しい日本型資本主義の経済社会ビジョンを構築し、子育て世代をはじめ、多くの国民に分配の行き渡る社会をつくってまいります。
 私は故郷徳島にこれらを導入し、県民の幸福を増進するため、新たなステージに立ち、さらなる進化への挑戦を始めます。これまでの皆さまからのご支援を形に変えて、培った経験と実現力を発揮し、ご恩返しをしてまいります。道半ばではありますが、しっかりと結果を出す覚悟を持って取り組みます。

■【戦う顔】疲弊する地方 元気に

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う地方経済の疲弊ぶりに心を痛める。県内の現状について「全体的に落ち込んできた。帰ってくるたびに実感する」と厳しい表情で訴える。
 三好市池田町出身。東京都内の大学に進学後、地元の娯楽の少なさに都市部との格差を感じ「地方を元気にしたい」と思ったのが政治を志した原点だ。コロナ禍では都市部への人口集中のリスクが顕在化したと指摘。「リモートなら、どこにいても仕事ができるという考えが広まってきた。その流れをうまく捉えたい」と地方創生の構想を描く。
 座右の銘は「日々新(あらた)」。古希を過ぎても成長する心を忘れない。昨年から議員宿舎の書類を整理していて、過去に提言したIT政策が実現できていないと気付いた。「ショックだったが、いい勉強になった」
 コロナ下の自粛生活で一人飲みの時間が増えたといい、「ウイスキーをストレートで味わっている」と表情を崩した。

■【候補者に聞く 新型コロナ対策】3回目の接種を準備

 希望する全ての人への2回のワクチン接種を進め、3回目も準備します。電子的なワクチン接種証明の積極活用や、予約不要の無料検査を拡大していきます。事業者に対し来春まで見通せる家賃支援給付金、持続化給付金の再支給など、事業継続のための支援を実施し、政府方針で不利益を受ける人への経済対策を講じます。インフルエンザ同様、従来の医療体制で対応可能な疾病へと変え、通常に近い社会経済活動を取り戻します。

■【候補者に聞く 経済対策・雇用確保】新しい資本主義実現

 新しい資本主義を実現する車の両輪は、成長と分配戦略。成長の柱は<1>科学技術立国<2>第5世代(5G)移動通信システムなどデジタルの実装を進め地方と都市の格差の縮小<3>自律的経済構造実現のための強靱(きょうじん)なサプライチェーン形成・経済安全保障―です。
 賃金水準を上げるため株主だけでなく従業員や取引先も恩恵がある「三方良し」の経営環境を整えます。まず看護、介護、保育などの現場で働く人の収入増へ公的価格を見直します

■【候補者に聞く 環境・エネルギー】再エネの効率アップ

 近年は線状降水帯による集中豪雨災害が頻発しており、この原因を早急に解決し、対策を取る必要があります。海水温や気温の上昇をもたらす地球温暖化を防ぎ、2050年のカーボンニュートラルに向けて、化石燃料の比率を下げていかなければなりません。そのためには、安全が確認された原子力発電所を一定程度活用するとともに、山野や農地など自然に負担をかけない再生エネルギーの効率アップや整備を進めていきます。

■【候補者に聞く ジェンダー平等】女性の積極登用実現

 ジェンダーギャップ指数のランキング上位国は政治分野のスコアが高い。日本は政治・経済分野が低いため下位に位置しています。女性経営者が活躍する社会、女性の積極登用を実現させる必要があります。政治家候補の一定数を女性と定めるクオータ制も有用でしょうが、地方議会などでは主婦や勤労者が議員活動しやすい環境も必要です。
 選択的夫婦別姓は個人の自由という枠の中で、子どもの姓の問題に配慮した上で認められるべきです。

■【候補者に聞く 税財政】経済再建し増収図る

 社会保障費の増加は著しく、ここ30年で47兆円から127兆円に激増しています。高齢者比率の上昇による年金と医療費の増加が赤字国債発行の一因となっています。しかし、国民の生活と健康の保障は政府の務めであり、給付水準を下げることは困難です。財政健全化に配慮しつつ経済を立て直し、科学技術立国などの成長戦略や労働生産性の向上により国内総生産(GDP)を諸外国並みに上昇させ、税収を確保していく必要があります。

■【候補者に聞く 憲法改正】時代に応じ改憲必要

 わが国では現憲法制定以来、70年以上改正されていません。米国や欧州各国、中国、韓国では数次から数十次の改正が行われており、時代の変化に応じた改正は国際的にも当然です。参議院の合区制度は住民の意思を反映するよう、都道府県単位の選挙制度を憲法改正により維持する必要があります。自衛隊の諸活動は多くの国民から支持を得ているにもかかわらず違憲だとの主張もあり、自衛隊を憲法に位置づけて違憲論を解消すべきです。

■【候補者に聞く 安全保障】揺るがぬ防衛力必要

 領土、領海、領空と国民の生命財産を守る防衛の基本は、日米同盟を一層強固にし、揺るぎない防衛力を整備することにあります。尖閣諸島などの島しょ防衛でも日米同盟の強化が必要です。前段階としては海上保安庁の能力強化、自衛隊との連携強化、(他国からの武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態に対応する法整備を検討します。民主主義同盟のネットワークを通じた自由で開かれたインド太平洋構想を確固たるものにしていきます。

■【候補者に聞く 地方活性化】国による支援が肝心

 東京一極集中是正は積年の課題です。これまで新産業都市構想などが講じられてきたものの、目覚ましい結果がなく、新自由主義の台頭で大企業と中小企業、大都市と地方の格差はますます拡大しました。国による地方創生の支援が肝心で、党地方創生実行統合本部長代行として地方の立場から取り組みます。岸田成長戦略のデジタル都市構想に基づき第5世代(5G)移動通信システムの整備を地方から進め、四国新幹線も推進していきます。

これからの徳島を考える―徳島新聞選挙サイト「衆院選特集」