2年ぶりに神山町で創作活動に取り組むクリステンセンさん=同町下分の旧下分保育所

 国内外から神山町に芸術家を招いて創作を支援する「神山アーティスト・イン・レジデンス(KAIR)」の参加者が、町で再び創作活動に取り組むケースが増えている。豊かな自然や住民の人柄、もてなしが受けているようだ。KAIR実行委員会は「交流が続くことは地域の活性化にとって大きい」と手応えを感じている。
 
 再訪する芸術家の多くは、同町のNPO法人グリーンバレーが有料で宿泊先とアトリエを提供する「ベッド&スタジオプログラム」を活用している。プログラムを設けた2007年からこれまでに7人が10回利用した。特に14年以降は5人が8回「里帰り」している。

 13年にKAIRに参加した英国人の現代墨絵作家ニック・クリステンセンさん(42)は今年4月、妻と3歳の長男を連れて2年ぶりに町を訪れた。6月末までアトリエとなる同町下分の旧下分保育所で作品づくりに励む。

 自然あふれる町の風景がお気に入りで「時間がゆったり流れ、静かだし、創作に没頭できる」と言う。企業のサテライトオフィス進出が続く状況にも「田舎だけどエネルギッシュだ」と魅力を感じている。

 米国人画家アダム・アヴィカイネンさん(36)は10年にKAIRに参加して以来、たびたび町を訪れ、住民と交流している。「会う人みんなフレンドリーだ。昔の文化が多く息づいていることにも感銘を受けた」と話す。

 上海で開かれた国際美術展「上海ビエンナーレ」(14年11月~15年3月)に展示した自身の作品には、町民が作ったかかしや徳島市内の人形座から借りた木偶を自身の作品の一部として展示し、阿波文化を発信した。

 KAIR実行委の杉本哲男会長(56)=同町神領=は「地域ぐるみで作家をもてなす仕組みは海外では珍しく、好評のようだ。一歩ずつ事業の理想型に近づいている」と話している。