高校運動部の競技力向上を目指し、徳島県教委が「NEO徳島トップスポーツ校強化事業」の指定校として24校45部を決めた。

 2022年に四国4県で開かれる全国高校総体(インターハイ)を視野に、4年計画で上位入賞できるチームづくりや選手の育成を進める。現在の中学3年生が入学する19年度から導入する。

 最大の特色は、実績や練習環境、支援態勢を基に、団体競技の指定校を1校(個人競技は2校まで)に絞り、集中強化を打ち出した点である。

 生徒数が減る中で、有力選手を1校に集めて強化するのは、時宜を得た取り組みだ。

 毎年2月ごろ開く評価委員会で過去3年間の成績を加味し、強化費助成と優秀な人材を集めるための入試枠が得られる「強化指定校」と、入試枠のみが与えられる「育成指定校」に分ける。

 15年度に始まった現行事業は強化推進校、競技普及校、地域活性化校の3区分だ。計20校36部のうち、バスケットボール、剣道女子などは複数の指定校があり、選手が分散する一因になっていた。

 新事業の指定校は現行より4校9部多く、新体操、相撲、空手道、カヌー、アーチェリー、ボートの6競技で新たに指定校ができた。「お家芸」に育てたい。

 県勢で目立つのは、団体競技の低迷である。昨夏のインターハイで8位内に入った団体競技は、3位に輝いたバレーボール女子の城南、8強入りしたソフトボール男子の徳島科技だけだ。

 高校の不振は、4年連続で46位という国体の天皇杯順位とも関係している。指定校を絞った上で合宿、遠征費を効率よく投入することは競技力向上への近道といえよう。

 しかし、新事業で十分かというと疑問は残る。

 本県の高校スポーツ界を長年、悩ませてきたのは、県外の強豪校への選手の流出だ。 高校進学はスポーツの成績だけではなく、学力や将来の進路とも深く関わる。県内高校と選手のマッチングに力を注ぐ必要がある。

 残念な点もある。近く示される指定校の入試枠は現行制度と同様、レギュラー数が基本となる見込みだ。これではチーム編成に必要な最低限の人数は確保できても、内部で競争が生まれにくい。

 さらに、体操、自転車、登山、フェンシングなどは指定校がなく、強化から取り残される懸念がある。

 教員の高齢化が進み、専門の教員や後継者が不在の競技が多い。これも、成績不振や多くの競技で指定校がつくれない理由の一つである。

 一方で、指導者の複数配置を求める声も出ている。県内に有望選手を引き留めるためには、優れた指導者の養成が欠かせない。

 県教委には、将来を見据えた計画的採用と適切な人員配置を求めたい。スポーツ医科学などを導入し、競技力を向上させることが大切だ。