練習後、ストレッチで体をほぐすイレブン=徳島スポーツビレッジ

 J2徳島ヴォルティスは16日午後7時から、鳴門ポカリスエットスタジアムでレノファ山口と対戦する。今季すでに10勝を挙げている山口の原動力は3トップ。3人で計22得点の破壊力に対抗するには、徳島らしいプレスとパスワークでしっかりボールを支配し、主導権を握るしかない。

 

 前節町田戦は一時同点に追い付きながらも、後半早々にあっさり勝ち越し点を献上し、逃げ切られた。セットプレーやチャンスの数では徳島が上回っていただけに、課題は「やはり決定力の部分」(岩尾主将)という意識をチームで共有している。

 精度の点でも反省材料は残る。「もっと相手が怖がるところへ侵入したかった」と島屋。押し込む時間帯はあったが、ラストパスやボールを受ける位置が合わず、好機を逸する場面があった。

 それでも同点弾を呼び込めたのは根気よくプレスを続けたから。島屋と山﨑、杉本太の3人が前線で圧力をかけ続けたことで町田の守備陣を慌てさせ、GKへのバックパスを引き出した。山口戦でも労を惜しまずプレスをかけてボール保持とチャンスメークを続ければ、勝利の糸口は必ず見つかるはずだ。

 両者の最大の違いはメンタル面かもしれない。山口は「開幕からいい試合を続けて点を取り、選手が自信を持ってプレーしている」(ロドリゲス監督)。対照的に徳島は決定率の低さも影響してか、シュートを打てる場面でパスを選択するなど消極的な姿勢がのぞく。

 だが、徳島の勝利を信じて声援を送るホームのサポーターの前で連敗するわけにはいかない。14日は一部の練習を非公開にしてセットプレーの動きなどを確認。ロドリゲス監督は「どんなチームにも苦境はある。絶対勝つんだという気持ちで戦おう」と選手を鼓舞した。内田裕は「出だしからしっかり押し込んで流れをリードしたい」と意気込みを新たにした。