人口減少の克服と地域経済活性化に向けた、徳島県の地方創生5カ年計画(2015~19年度)となる「県版総合戦略」案の概要が4日、分かった。移住・交流人口の増加やサテライトオフィス(SO)の進出を促すなどして、転出者が転入者を上回る社会減(4月1日時点で1723人)に歯止めを掛ける。総合戦略と併せて示す「人口ビジョン」には、60年の県人口を「60万~65万人超の確保を目指す」と明記する方向だ。
総合戦略案は<1>新しい人の流れづくり<2>地域における仕事づくり<3>結婚・出産・子育ての環境づくり<4>活力ある暮らしやすい地域づくり-の4項目の基本目標を定めた。人口ビジョンで示す県人口の確保に向けた数値目標と具体的な施策を盛り込んでいる。
「人の流れづくり」では、20年時点で転入・転出者数の均衡を目標に掲げた。移住交流の促進が施策の柱で、13年度に107人だった移住者数を850人に増やすほか、SO進出地域を現在の4市町から倍増させる。
若者の地元定着を促すため、奨学金返還を県と企業などが連携して肩代わりする制度を設け、県内企業への就業者を対象に運用する。県職員の新規採用枠百人以上も確保する。県内大学生らの県内就職率を44・5%(13年度)から50%以上に引き上げる。
「結婚・出産・子育ての環境づくり」では、25年の出生率1・8(13年=1・43)を目指す。第3子以降の保育料無料化制度を15年度に創設。41人(13年度)の待機児童を17年度に解消するほか、認定こども園を6カ所(同)から43カ所に増やす。
他の2項目の基本目標には、6次産業化の推進や外国人も住みやすい多文化共生の施策を盛り込んだ。「5年間で4千人の雇用創出」の目標も打ち出した。
国立社会保障・人口問題研究所の60年の推計人口は約42万人で、県の目標と18~23万人の開きがある。実現には▽20年の転入・転出者数の均衡▽25年の出生率1・8-に加え、25年以降に転入者が転出者を上回る社会増になることや、30年に出生率が2・07に上昇することが必要になる。
総合戦略案は、県議会6月定例会や県内各界各層のトップらで構成する「挙県一致協議会」での議論も加え、7月に正式決定する。
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